『軍用犬』第9巻第10号『軍用犬』第9巻第10号
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祖父・唯是日出彦の生涯について、「唯是日出彦と軍用犬」というテーマで記事を書いています。その3です。

唯是日出彦と軍用犬 その1

唯是日出彦と軍用犬 その2

前回は、帝國軍用犬協會発行の機関誌『軍用犬』に掲載された、座談会の記事をご紹介しました。今回は、別の記事を取り上げます。

日出彦が小樽新聞の記者だったことについて、「文才にプラスして画才、特に漫画、似顔絵は“秀いでたる者”として認められ、……衆議院、貴族院で各大臣の似顔絵と、両院を風刺したその画風は写真報道の比ではなく、読者の絶賛をあびたものも語り草。」という評価が遺っています(『月刊さっぽろ』140号)。

『軍用犬』においても、日出彦の才能がいかんなく発揮されています。『軍用犬』第9巻第10号(1940〈昭和15〉年)では、協会の副会長を務めた坂本健吉陸軍少将を追悼する特集が組まれ、日出彦は似顔絵と共に追悼文を寄せています。

軍用犬第9巻第10号
『軍用犬』第9巻第10号目次
軍用犬第9巻第10号
同16ページ

ユヰジェ君相變らず元氣ぢやネ」という坂本閣下のお言葉で書き始め、「私の姓はユヰゼと読むのであるが、閣下に呼ばれる時はユヰジェとなるのであった。」と振り返り、小樽郊外のオタモイ海岸を案内した日のことを懐かしみ、「清濁併せ呑んでまだゆとりがある」と偲んでいます。

たしかに「ゆいぜ」と正確に発音できる人は少ないです。某国の三権の長を務めた御仁も、私のことを「ゆうじぇ、ゆうじぇ」と呼んでいました(笑)。かなを「ユヰゼ」と書くと、発音は「ゆうぃぜ」になっちゃいますな。

坂本健吉の写真を発掘できないので、この萬像が似ているか否かは不明ですが、日出彦の他の遺作を見るにつけ、おそらくご本人の特徴をよく捉えているのではないかと思います。

その4へつづく

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唯是 一寿

唯是家第8代。1972年、北海道生まれ。早大卒。団体役員、会社役員。東京都港区在住
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By 唯是 一寿

唯是家第8代。1972年、北海道生まれ。早大卒。団体役員、会社役員。東京都港区在住

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